◆ SNSで話題の「ステーキ離れ」
度々、SNSやメディアで話題になっている「〇〇離れ」。
X(旧Twitter)では「ステーキ離れ」が話題になっています。

記事では「Z世代は”噛む力が弱くなっている”、”ヘルシー志向から外れている”」とありますが本当にそうでしょうか。
賃金の低下、税金の増大、物価高上昇など挙げればキリがないほど若者を中心とした社会全体の生活には余裕がないのではないでしょうか
ステーキ=ちょっと贅沢な「ごちそう」だったはず
昭和・平成の時代、ステーキは「今日は特別!」という日に選ばれるメニューでした。
しかし2020年代に入り、ステーキ専門店は軒並み苦戦。高級店はもちろん、リーズナブル路線のチェーンでも客足が伸び悩んでいます。
記事では
厚切り肉をナイフで切り分けながら食べるという行為そのものが、彼らにとっては“面倒くさい”“非効率”と映るのかもしれません。味の問題よりも、手間と労力の“コスパ”が気になるというわけです。他にも、“脂っこさ”や“胃もたれ”といった身体的負担も挙げられ、“健康に良くないイメージがある”と避けられるケースが増えているようです
とありますが、本当にステーキは手間がかかる食べにくい食事なのか?
いいえ、もっと根深い理由があります。
ステーキ離れの本当の原因:「お金がない」現実
最も大きな要因は、若者の給与水準の停滞です。
実質賃金は減少傾向
日本の20〜30代の実質賃金はこの10年で横ばい、もしくは減少傾向にあります。
一方、ステーキのような牛肉を使った外食は、物価高の影響で値上がり続けているのが現実です。
X(旧Twitter)では

若者のステーキ離れ?
若者からお金が離れてるだけよ。

「若者のステーキ離れが!!!」って言うなら「節約!節約!鶏むね肉!!!」みたいな世の中をどうにかしてほしい、牛肉が気軽に選択肢に入る家計ならみんな食べるよ
「若者のステーキ離れが!!!」って言うなら「節約!節約!鶏むね肉!!!」みたいな世の中をどうにかしてほしい、牛肉が気軽に選択肢に入る家計ならみんな食べるよ
つまり「ステーキを食べたくても、財布が許してくれない」
という状況になっているのです。
さらに、サブスク・通信費・交際費・学費の返済など、“固定支出”が増えている現代の若者は、自由に使えるお金が昔よりもずっと少ないのです。
高くて、重くて、満足感が薄い?
また、ステーキはコスパという面でも不利になっています。
• 牛肉の質にこだわると1食2,000円以上
• ボリュームがあっても野菜は少なく栄養バランスに欠ける
• 「映え」や「シェア文化」とも相性が悪い
こうした理由から、
ステーキは「わざわざ選ばない」存在になりつつあるのです。

高くて、重くて、満足感が薄い?
実は、「ステーキ離れ」は象徴的な現象にすぎません。
外食全体において、高価格帯メニューの注文数が減っているというデータも出ています。
若者が選ぶのは、コスパがよくて、腹持ちがよくて、できればヘルシーなもの。
つまり、ステーキが選ばれないのは、
“贅沢を楽しむ余裕”が失われているから。

ステーキ離れと若者の消費減退
ビーフ消費の減少傾向
• 国内の牛肉消費量 は、2024年には前年比−1.5%、5年連続の減少。消費量は86万トンにとどまりました 。
• スーパー店頭では、”鶏肉の方が圧倒的に安くて手に取りやすい”という声が広がっています 。
➡ ステーキに限らず「牛肉そのものが敬遠され始めている」事実が浮かび上がります。
若者の実質賃金はずっと停滞中
名目賃金は3年連続で上昇するも、消費物価のほうが上回っているため、実質賃金は継続的にマイナスに 。
• 2024年も平均で+2.9%の名目上昇に対し、物価上昇率は+3.2% → 実質-0.2% 。
➡ “価格が上がってるのに、上がるお金が追いついていない”状況が浮き彫りに。

家計支出から読み解くシビアな消費態度
• 2025年4月の家計支出は前年同月比−0.1%、前月比−1.8%と予想を下回る伸び 。
• 実質賃金も4ヶ月連続でマイナス(2024年11月まで) 。
➡ 若者だけでなく、家庭単位でも消費に慎重になっている流れが顕著。
“ステーキ離れ”は可処分所得の問題
• 牛肉自体が値上がりしており、鶏肉・豚肉へシフトする消費者が増加 。
• SNSでも「ステーキより焼き肉、鶏肉の方が安定してる」などの意見が多数。
➡ ステーキは“昔の贅沢”ではなく、今は「値ごろな贅沢」すら厳しい状況に。

結論:「ステーキ離れ」は“可処分所得の縮小”の象徴
ステーキは単なる肉料理ではありません。
かつては“ちょっとした贅沢”の象徴でした。
それが避けられるようになった今、見えてくるのは――
👉 若者の生活に余裕がなくなっているという現実
物価が上がり、税負担は重くなり、給与は上がらない。
そんな中で「たまの贅沢」さえ手放している現状を、どうにかしなければなりません。
減税は今こそ急務
私たちは今、「ステーキ離れ」に象徴される小さな異変を見逃してはいけません。
それは、若者が静かに「楽しむ自由」を失っているサインです。
生活に余裕が生まれなければ、消費は回らず、経済も回りません。
その第一歩として、可処分所得を増やす減税政策の実行が求められています。
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